小峰城
福島県白河市郭内1外
イベント情報


江戸時代の石垣が10ヶ所崩落。東日本大震災の最大規模の文化財被害。
白河市は東北の玄関口と呼ばれ、古くから人やモノが行きかう交通の要衝。その街の中心にある小峰城は、小峰ヶ岡と呼ばれる丘陵に1300年代半ば、結城親朝によって築かれました。1600年代の江戸時代には初代白河藩主の丹羽長重が石垣を多用した城郭へと整備。三重櫓等の建物が焼失した戊辰戦争も石垣は乗り越えてきました。しかしながら、東日本大震災で白河市を震度6強の揺れが襲い、さらに同年4月11日にも震度5強の地震が起きて計10ヶ所で崩落。東日本大震災の最大規模の文化財被害と言われています。以来、小峰城は長期間にわたりバリケードに覆われ、修復作業が行われてきました。「文化財の修復は、ただ壊れた部分を直せばいいというわけではありません。いかに歴史的な価値を守るか。そのために関係者が一丸となって取り組みました」と専門学芸員の小野さんは語ります。

震災から約8年を経て修復作業を完了。先進事例として全国の被災地を応援。
城跡は現在城山公園として市民の憩いの場となっており、公園内にある小峰城歴史館は、小峰城の築城から近現代までの歴史を学べる施設。震災での被害と修復への取り組みも詳しく紹介されています。驚かされるのは石材カルテ。石ひとつひとつに番号をふり、形状や震災前の位置情報を把握して、それに即して石積みを行っています。「江戸時代の伝統工法にもとづいて、石材をもとの場所に戻していきました」と小野さん。約5年がかりで石積み作業を行い、2019年春に修復工事を完了。現在は凛とした佇まいの石垣を間近で見ることができます。こうした小峰城の取り組みは被災文化財の修復の先進事例として注目され、熊本城の修復工事等にも生かされています。小峰城をはじめとする文化財は地域の誇り。それを守ることは、心の復興を後押しします。「震災だけでなく、小峰城の魅力も伝えたい。一方、お城好きな方が震災を知るきっかけにもしていきたいです」と小野さん。修復された小峰城を起点に、これからも多くの人が行き交い、新たな歴史や文化が育まれていくはずです。

この施設でわかること
小峰城は、東日本大震災により、10箇所の石垣が崩壊するなど甚大な被害がありました。その後の調査で、震災を乗り越えた石垣の大半は、江戸時代に構築されたと確認できたことから、伝統的な工法で石垣修復工事を進めました。公園内にあるガイダンス施設「小峰城歴史館」では、震災発生から石垣修復完了までの経過を伝えています。
(本ページの画像提供:白河市)

この施設でできること
- パネル展示の見学
- ツーリズムガイド
館内案内
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小峰城歴史館内の展示
震災から石垣の復旧までの工程を紹介します。市民や研究者から集めた石垣崩落前の写真、石垣の構造を探る発掘調査など、震災前の姿に戻すため多くの人々の尽力がありました。
白河市のシンボルがどのように復旧したのか、その歩みをご覧ください。
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小峰城VRシアター
江戸時代の小峰城をCGで復元し、3面スクリーンで立体的に映像化したVRシアターです。200年前にタイムスリップして、城内を歩いているかのような感覚で、小峰城の大きさや広がりを体感できます。
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ツーリズムガイド
ツーリズムガイドにより震災復興の解説、案内を行っています。小峰城の石垣の崩壊は、東日本大震災による文化財被害の中でも最大規模と言われています。
震災の状況、現在までの歩みをガイドの言葉を通じて紹介します。
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三重櫓
本丸の北東隅に建つ三層三階の櫓。1991年に県の重要文化財である「白河城御櫓絵図」や発掘調査の成果をもとに、木造で復元されました。内部も無料で観覧できます。
施設概要・アクセス
施設名 | 小峰城 |
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住所 |
〒 961-0074 福島県白河市郭内1外 Google Map |
問い合わせ先 | 0248-22-1111(白河市都市計画課) |
開館時間 | 三重櫓 9時~17時(4~9月) 9時~16時(10月~3月) |
休館日 | |
料金 | 無料 |
アクセス |
<お車でお越しの方>駐車場あり 東北自動車道白河ICから約10分、白河中央スマートIC(ETC専用)から約5分<電車でお越しの方> JR東北本線白河駅下車徒歩5分 |
駐車場 | あり |
公式HP | http://www.city.shirakawa.fukushima.jp/page/page001390.html |
その他 |
【小峰城歴史館】 住所:〒961-0074 白河市郭内1-73 電話番号:0248-24-5050 問い合わせ先:0248-27-2310(白河市文化財課) 開館時間:9時~16時30分(入館は16時まで) 料金:一般300円・小中高生、障がい者100円 |