イベント情報


今も続く未曾有の複合災害を伝える被災地の伝承拠点。
福島県は2011年3月11日に発生した東北地方太平洋沖地震や津波等により、直接的な犠牲者が約1,800人に上ります。東京電力福島第一原発事故に伴う避難生活での体調変化や過労等、間接的な原因で亡くなった『震災関連死』は約2,300人に及びます。
除染やインフラの復旧等により避難指示の解除が進んでいますが、県全体で現在も2万人以上が避難生活を送り、発災から13年が経過した今も、震災と原子力災害の影響を受け続けています。
東日本大震災・原子力災害伝承館は、震災と原発事故で全町避難を強いられた双葉町の津波被災地に県が整備し、2020年9月に開館しました。展示や語り部講話、研修プログラム等を通じて未曽有の複合災害について伝承し、2025年2月現在、35万人以上が来館しています。
双葉町は2020年8月の一部地域の避難指示解除まで、11年5か月にわたり人が住むことを許されなかった地域です。震災前に約7,100人いた居住者は2024年10月現在、170人ほど。食品や日用品を買える店舗は伝承館に隣接する双葉町産業交流センター内のコンビニエンスストアのみでしたが、JR双葉駅前にスーパーの建設が進んでいて、2025年度中にオープンする予定です。
「見学と合わせて双葉町の街並みもご覧いただき、震災と原子力災害の過酷さや福島の復興の歩み等、被災地の今を自分の目で確かめてください」と副館長の清水さんは語ります。

変わりゆく現在の被災地を自分の目で確かめるきっかけに。
館内に入り、エントランスの扉の先にあるのは「プロローグシアター」。福島県出身の俳優、故・西田敏行さんがナレーターを務める大画面映像で、震災や原発事故、復興、未来について考えるきっかけを提供しています。
展示室では平穏な暮らしが、震災と原発事故で一変する様子を解説。前触れなく日常を奪われ、刻々と移り変わる状況に翻弄される住民たちの様子を貴重な資料や模型、証言映像等で学べます。また、原子力災害の影響をデータに基づいて説明し、福島イノベーション・コースト構想等の新たな挑戦も紹介しています。
「毎年展示を更新して除染や廃炉の状況、避難者数の変化等、変わりゆく福島県の現在を発信しています。ぜひ一度、伝承館へお越しください。」と清水さん。
今も続く原子力災害。その現場でしか体感できないことがあります。

この施設でわかること
2011年3月11日の東北地方太平洋沖地震によって引き起こされた東日本大震災。福島県では最大震度6強の地震と大津波による被害、東京電力福島第一原子力発電所事故に伴う原子力災害が発生し、未曽有の複合災害となりました。当館では展示見学や被災した住民らによる語り部講話、研修プログラムの受講により、福島で何が起き、どう向き合ってきたのかを知ることができます。複合災害の甚大さを理解することが、次の災害への備えとなることを願っています。

この施設でできること
- 展示見学
- 語り部聴講
- 研修プログラム受講
- 資料の閲覧
館内案内
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展示見学
東日本大震災と原子力災害について、発災前の地域像を示す資料、発災当時およびその後の避難生活を示す資料などを約29万点収蔵し、このうち約200点を常設展示室に展示しています。地震、津波、原発事故の被害を伝える実物資料や被災した住民らの証言映像に加え、タッチパネルの解説資料、事故直後の東京電力福島第一原発の模型などもあり、未曽有の複合災害に理解を深めることができます。
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語り部
1日4回、各回40分間、展示エリア内のワークショップスペースで語り部講話を行っています。被災した住民らが日替わりで担当しており、入館券をお持ちの方であればどなたでも聴くことができます。語り部の皆さんは様々な場所で被災しました。語るテーマも地震、津波、原発事故など様々です。講話で語る内容は未来につなぐべき記憶であり、防災・減災に向けた教訓です。
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研修
展示見学のオプションとして、研修プログラムがあります。双葉町と浪江町の被災地域をバスで巡る「フィールドワーク」や、語り部の生の声を聴く「研修語り部講話」を通して、未曽有の複合災害の事実や復興の現状・課題を見て感じ、学ぶことができます。「ワークショップ」では学びを整理・共有し、震災・原発事故の教訓やそこで学んだ視点を自分の住む地域や社会全体の課題解決へつなげようと考えることで、学びを深めることができます。
※原則20名以上対象で、事前予約制です。
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資料閲覧室
東日本大震災と原子力災害に関する図書、各自治体の震災記録誌および災害関連図書などを配架しています。防災に関係する本もあります。展示室でさらに知りたい、知識を深めたいと思った事柄について調べることができます。コピーや貸し出しなどはできません。
施設概要・アクセス
施設名 | 東日本大震災・原子力災害伝承館 |
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住所 |
〒 979-1401 福島県双葉郡双葉町大字中野字高田39 Google Map |
問い合わせ先 | 0240-23-4402 |
開館時間 | 9:00〜17:00 (16:30最終入館) |
休館日 |
火曜日(火曜祝日の場合は翌平日) 年末年始(12/29〜1/3) |
料金 |
●大人:600円 ●小中高:300円 ●未就学児:無料 ●大人団体(20名以上):480円 ●小中高団体(20名以上):240円 ※入館料は1名あたりの金額です。 |
アクセス |
<お車でお越しの方>駐車場あり(無料、121台) 常磐自動車道常磐双葉ICから車で約12分(約7.5km) 時間の目安 【高速・有料道路利用の場合】 仙台市内から約1時間30分 いわき市内から約1時間 福島市内から約1時間40分 【一般道利用の場合】 郡山市内から約1時間50分 <電車でお越しの方> 東京駅から最寄りの双葉駅まで特急ひたち利用で約3時間10分 仙台駅から最寄りの双葉駅まで特急ひたち利用で約1時間20分 ※双葉駅から約2km、徒歩で約25分。双葉駅発のシャトルバスが利用できます(約5分)。 <飛行機でお越しの方> 福島空港から車であぶくま高原道路を利用して約1時間40分 仙台空港から常磐自動車道経由で約1時間20分 |
駐車場 | あり |
公式HP | https://www.fipo.or.jp/lore/ |
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その他 |