とみおかアーカイブ・ミュージアム

〒979-1151
福島県双葉郡富岡町本岡王塚760−1

避難区域での資料レスキューから生まれた歴史博物館。

とみおかアーカイブ・ミュージアムは、2021年7月に開館した富岡町立の歴史博物館です。富岡町は東日本大震災に伴う原発事故により2017年4月の一部避難指示解除まで全町民が避難生活を余儀なくされ、現在も期間困難区域が残り地域再生までに時間を要する状況です。そうした中、町では2014年から役場横断の有志組織が結成され、放射線量低減等のために解体される建物から地域のことが読み取れる資料の救出活動を行ってきました。展示資料約430点、収蔵約5万点のうち、実に約7割がそうした原発事故後の全町避難後に保全された資料たち。これらを生かし、東日本大震災と原子力災害を地域の歴史に位置付けることを目指して開館したのがとみおかアーカイブ・ミュージアムです。「何を失い、何が変わり、何を得たのか。それをつかむには、富岡町民が覚悟なく奪われた『日常』から知っていく必要があるのです」と学芸員は語ります。

震災前の「日常」と震災を紹介し、来館者それぞれに問いかける。

展示室は大きく2部構成になっています。前半では震災前の「日常」である富岡町の特徴をテーマ別に紹介。自然環境、まちづくり、産業、信仰、教育など、来館者がどこに住んでいても自分の経験と比較しやすい構成となっています。後半は富岡町における震災の経験。刻々と変化する原発に翻弄され、覚悟なく日常が奪われていく様子を知ることができます。自身の街と重ね合わせることで、その残酷さを痛感する方もいるはずです。私たちが暮らすそれぞれの土地には、その土地ごとの特徴と、それらに育まれた歴史、文化があります。それらは唯一無二のかけがえのないものであり、そこで続いている「日常」の貴重さは失って初めて気づかされるものです。「富岡町民を含む福島県内のたくさんの人は、覚悟なく住む場所を追われ、日常を奪われました。自分の人生に何が大切か、故郷とはどのような場所か。当館の展示をご覧になり、自分の住む地域を見つめ直すきっかけにしていただければ幸いです」と学芸員は語ります。震災の経験を「富岡町の歴史の1ページ」に刻む取り組みは、まだ始まったばかりです。

この施設でわかること

富岡町が整備した博物館で、富岡町の成り立ち・特徴とともに東日本大震災と原発災害で生じた震災遺産を紹介しています。テーマは「複合災害を地域の歴史に位置づける」。地域で長い時間をかけて積み重ねられてきた日常が覚悟なく奪われた事実を生活者の目線から伝え、「あの日」を境に起きた町の変化を展示しています。展示はすべて町の学芸員が担当。希望があれば展示解説が受けられます。

また収蔵庫や作業室などのバックヤード見学も常時可能。博物館の裏側を楽しむことができます。
富岡ならではのワークショップ・体験会も開催しており、塩炊きや土器・まが玉造り、古代式の火起こし、昆虫採集と標本づくり講座、くずし字解読講座などに参加できます。

この施設でできること

  • 被災物等の展示
  • 町民の証言映像
  • 団体向け体験プログラム

館内案内



  • 常設展示


    富岡町の成り立ち・特徴を分野別に紐解き、富岡の特徴により生じた複合災害の結果を常設展示しています。現物資料をメーンに展示し、グラフィックパネルやプロジェクションマッピングで分かりやすく解説しています。



  • 中央商店街模型


    タウンギャラリーは「こころの復興」に向けた町民や地域住民、来館者の交流の場。中央商店街を再現したジオラマを見て、震災前の「日常」を懐かしむ町民も多くいます。



  • 津波に流されたパトカー


    町民の避難誘導にあたっていたところ津波に流され被災したパトカーが展示されています。パトカーには当時2人の警察官が乗っていました。



  • 当時の対策本部を再現


    地震直後に設置された「災害対策本部」の一部を再現展示しています。ホワイトボードにまとめられた情報や机の上にある走り書きのメモからは当時の緊迫した様子が伝わってきます。

施設概要・アクセス

施設名 とみおかアーカイブ・ミュージアム
住所 〒 979-1151
福島県双葉郡富岡町本岡王塚760−1 Google Map
問い合わせ先 0240-25-8644
開館時間 9:00~17:00 (最終入館16:30)
休館日 月曜日(祝日の場合は翌平日)、年末年始
料金 無料

※団体での見学およびガイドは事前申し込みが必要です。

アクセス <お車でお越しの方>
常磐富岡ICから 車で約10分

<電車でお越しの方>
JR常磐線 富岡駅・夜ノ森駅から いずれも車で約5分
駐車場 有り(空きがない場合、隣接施設「学びの森」駐車場利用可)
公式HP https://www.manamori.jp/museum/
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その他

音声ガイド・多言語対応について

○音声ガイドは日本語・英語を無料で貸し出しております。
○リーフレット、シアター、プロジェクションマッピングは6ケ国語に対応。
(日本語、英語、繁体中国語、簡体中国語、韓国語、スペイン語)
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